お役立ち記事文章チェックはムダな語句のカットから|例文で添削解説
伝わる文章を書きたいけど書けない……自分で読み返しても分かりにくい……。
そんな時、あなたは文章をどのようにチェックし、添削していますか?
今回は、会社案内パンフレットのライターとして、さまざまなビジネス文章を書いてきたイツマの文章チェック法をご紹介したいと思います。
その前に……本サイトの別記事
「伝わる文章の書き方・直し方|今すぐ実践できる簡単な6つのコツ」では、僕が文章を直す時のコツを、このようにご紹介しました。
この中で、最も文章のアップデート効果が高いのが「文字数を減らす」方法です。
今回の記事は、この「文字数を減らす」コツについて、架空のインタビュー例文をもとに詳しくご紹介したいと思います。
目次
文章チェックで削るムダな語句は4種類
文章チェックで語句を削る際、僕が対象としているムダ語はこの4種類です。
①説明語
②繰り返し表現(二重否定・複合動詞・補助動詞)
③主語
④という・こと
これだけは分かりにくいと思うので、さっそく下の例文で添削していきましょう。
文章中の「説明語」は主観なのでカット
さあこのインタビュー記事から、①〜④のムダな語句を順に削っていきます。
まずは「①説明語」を赤字にしてみます。
説明語とは僕の造語でして、正確には「修飾語」です。修飾語とか言い出すと急に難しくなるので、後に続く名詞や動詞を詳しく説明する言葉、くらいのイメージでとらえています。
ようは、程度や量、範囲、心情などを詳しく説明する語句ですね。
文章って、書いているとどうしても「主観」が先行してしまうため、つい余分な単語やフレーズを詰め込んでしまいます。
その典型が説明語です。実は、なくても成立する説明語って、ほぼ主観なんですよね。例文の赤字部分を見直してみてください。
「桃から生まれた」以外は、すべて桃太郎の主観か、桃太郎視点での解釈なんです。
でも、会社案内パンフレットなどのビジネス系文章では、シンプルかつ正確に情報を伝えることが求められます。つまりは客観的な文章です。
そのため、主観で語る説明語はカットした方が伝わりやすくなるのです。
逆に、ブログなど自分が話し手になっている文章では、説明語をある程度入れると感情や臨場感が加わり、いわゆる「エモい」文章になるわけです。
文章にムダな語句を増やす「繰り返し表現」もチェック
では次に「②繰り返し表現」を赤字にします。
この繰り返し表現もいくつか種類があるので、それぞれ説明すると、
・棲みついて → 複合動詞
・(棲み)ついている → 補助動詞
・まず第一 → 意味の重複
・不安な気持ち → 意味の重複
・倒せないことはない → 二重否定
・向かって行った → 複合動詞
という感じになります。
油断すると書いてしまいがちな繰り返し表現は、明らかな「間違い」というより「適切ではない」くらいのケースが多いので見過ごされがちです。
でも、ムダに文字が増えて読みにくくはなるので、できるだけ最少の文字で伝えるには?というスタンスで見直して、発見するようにしています。
一人称の文章なら「主語」もチェック対象に
では最後、一気に「③主語」「④という・こと」を赤字にして削ります。
<主語> 一人称型の文章では、ほとんどの主語はカットしても実は支障ないんですよね。だって一人称の文なら、主語は自分に決まってますから。でもつい書いてしまうのが主語。勇気を出して削って読み返すと「あ、大丈夫だわ」となっていることがほとんどです。
<という・こと> これは僕も、いまだに下書き段階では多用してしまう語句です。なくても通じるどころか、あると文章が間延びするので削っています。
添削チェックで客観的な文章にアップデート
ということで、①〜④の赤字部分をすべて削ると下のような文章になります。さらにその下の、元のインタビュー文書と見比べてみてください。
いかがでしょう?文字数は200文字→129文字と約60%にまで減りました。200文字ほどの短文でもここまで減らせるのです。
そしてお気づきですか?この4種類の語句、つまりは「話し言葉」なんです。なので、普通の会話ではよく出てくる語句ばかりです。
でも、書き言葉、特にビジネス文章では不要なのでカットすると、基本情報量はそのままですが、読みやすさがアップするのです。
伝わりやすい文章とは、このようにムダ語が省かれ、客観的事実だけで構成された文章だと考えています。
伝わる文章を書きたいけど書けない、直せない、という方は、ぜひ、4種類の語句に注目して文字をチェックしてみてください。
きっと、今までとは違った文章にアップデートできると思いますよ。